何気ない日常

親の家の片づけ方 その2 - 相続についての補足 -

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前回を振り返って

法定相続人について

前回、親の家の片づけ方の一環として、相続についてまとめてみました

そこでは、かなり簡単に法定相続人について書きましたが、そこに少し細かい説明を追加で書いておきたいと思います。

ここから、被相続人と相続人という言葉が頻繁に出てきますが、それぞれ次の意味になります。
  • 被相続人 … 亡くなった方で遺産を遺す人
  • 相続人  … 亡くなった方の遺産を受け取る人
となっています。

今回は遺言書がない場合で遺産分割協議を行う際に基本となる遺産の分割方法について説明していきます。

直系卑属

直系卑属とは被相続人の子供や孫のことを指す言葉でしたね。

ここでいう子供にも実は2種類あります。

それが嫡出子と非嫡出子です。

嫡出子とは配偶者との間に生まれた子であり、非嫡出子とは配偶者以外の女性との間に生まれた子となります。

ただし、非嫡出子と言っても闇雲に認められるわけではなく、父親から認知を受ける必要があります。

認知にも種類があり次のように分けられます。
  • 任意認知 … 認知届を子供の本籍地あるいは住所の市町村役場に提出する
  • 強制認知 … 父親が認知をしてくれない場合に、裁判所に申し立てをして親子関係を認めてもらう
  • 遺言認知 … 生前認知されていなかった子供を遺言書で認知する(生前は家族の手前認知できなかったときなどに使う方法)
があります。

以前はこれらのいずれかで認められた非嫡出子は嫡出子の2分の1しか相続分が認められていませんでした。

しかし、法の下の平等に違反しているとの最高裁判決により、非嫡出子であっても嫡出子と同じ相続分が認められるようになりました。

つまり父親が同じ子供であれば、その母親は関係ないという事ですね。

 

また、被相続人が再婚していた場合、その再婚相手が配偶者となるのは当然ですが、その間にできた子と、再婚前の結婚相手の間に生まれた子のいずれも直系卑属と認められ、同等の相続分が認められます。

 

これとは別の話ですが、子供が複数いる場合、そのいずれかが亡くなっている場合、子供と孫が同時に相続人となります。

この場合で孫が複数いる場合には子に対しての相続分を孫の人数で割った分が相続分として割り当てられます。

また子が亡くなっていて、その子に孫がいなければ残りの子(兄弟姉妹)の間で均等に相続分が割り振られます。

これが曾孫以降の直系卑属に対しても同じように代襲相続していきます。

しかし代襲相続をする場合にはその親(孫が代襲相続する場合には本来の相続人である被相続人の子供)にどのような子がいるのかを確定するためにその親の生まれた時から亡くなった時までのすべての戸籍を集めなければなりません。

これが代襲相続の厄介なところです。

もしも子供がすでに亡くなっていて、孫が複数人要る場合、その孫のすべての戸籍を集める必要があるのです
書いていて混乱してきました。もしもすでに子供が亡くなっている場合、(その子供が被相続人になるので)その子供の戸籍を集める必要があるのです。

直系尊属

直系尊属とは被相続人の両親、祖父母などを指す言葉でした。

これについては特に記述することは無いのですが、相続が行われる時点で、被相続人の配偶者および子供がいない場合にのみ相続人になることを確認しておきます。

兄弟姉妹が相続人となる場合

実はこれが一番厄介です。

直系尊属と直系卑属の両方がいない、もしくはなくなっている場合にのみ兄弟姉妹が相続人となることは前回説明しました。

その場合残った兄弟姉妹で均等に相続分を分割して相続することになります。

しかし、ある程度老齢で被相続人が亡くなった場合、既に兄弟姉妹も亡くなっている場合も往往としてあります。

その場合には、相続人である兄弟姉妹の子供たちに対して代襲相続をする必要があるのです。(兄弟姉妹の子供なのでいとこになります)

子供がまだ生きていると仮定した場合、いとこ同士で遺産分割協議を行い、だれが何を相続するのかを決めていかなければなりません。

しかもそのいとこ同士はそれぞれ同等の相続分を受け取ることが出来るのです。

現金や預金などの平等に分割できる場合には話はまとまりやすいのですが、不動産などについては非常に厄介な話になります。

ただし、この場合の代襲相続は1世代まで可能である点に注意が必要です。

いとこまでは代襲相続が認められますが、その子には再代襲が認められないのです。(直系尊属の場合は何世代でも代襲が出来ます。)

印鑑集め

遺産分割協議、つまりだれがどのように遺産を受け取るかについて話し合う事の結果を書類にまとめたものが遺産分割協議書でしたね。

この遺産分割協議書には上述のすべての法定相続人の印鑑証明書を添付する必要があります。

これがいわゆる印鑑集め(ハンコ集め)の作業です。

単純に被相続人が一度しか結婚しておらず、また非嫡出子もいない場合には、配偶者と嫡出子間(兄弟間)でのみ遺産分割協議をして、その印鑑を集めるだけで済みます。

しかし、上述のような複雑な場合、特に代襲相続が行われる場合には非常にたくさんの印鑑集めをしなければなりません。

(今のような少子化が進んでいる状態ならばさほどたくさんの印鑑は必要ないかもしれませんが、今老齢と言われている方たちは兄弟がたくさんいることもあるのでそれに応じてたくさんの印鑑を集める必要があります。)

 

私の家の事情になりますが、父の妹(私の叔母)が亡くなった時、すでにご主人が亡くなっておりまた子供がいなかったため、父たち兄弟が相続人となりました。

その叔母は土地と家を所有していたのですが、その兄弟のいずれもが相続することを拒否したため、ご主人の親せきの子がその不動産を相続することになりました。

そこで、私の父がその父(私の祖父)の生まれた時からの戸籍をすべて集め、自分たち兄弟以外に子供がいないかを確認する必要がありました。(いわゆる隠し子がいないかの確認です。)

同じ作業を亡くなった叔母のご主人の親についても必要だったのですが、父はそのご主人の直系親族ではありません。

つまり、委任状がないと戸籍を集めることが出来ないのです。

そこでやむを得ず、司法書士に頼ることとし、ご主人方についてはすべてをお任せすることとなりました。

その時の費用は誰がどの程度負担したのかは詳しくは分かりませんがうちの父も若干は負担したらしいです。(自分が相続を拒否したために起きた事態だからという配慮からだと思います)

結局約1年がかりで戸籍集めと印鑑集めが終了し、無事親戚の子が不動産を相続することが出来ました。

しかし、司法書士の方が言うにはこのような複雑な状況で1年で話がまとまったのはかなり珍しいケースであるという事でした。

中には自分の分の相続分をよこせと言う人もいるので、なかなか話がまとまらないことが多いらしいです。

 

 

長い説明ですね。少し一休みします。

長女画伯作

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相続の種類

単純承認

今まで説明してきたのはすべて、法定相続人が財産を相続するという家庭の上での話です。

しかし、前回も説明したとおり財産の中にはプラスの財産とマイナスの財産の両方があります。

これを天秤にかけてプラスの財産のみを相続するのが普通です。

このように財産を受け取ることを単純承認と言います。

相続放棄

それに対してマイナスの財産が上回った場合、相続をしないという選択肢もあります。

これを相続放棄と言います。

被相続人の相続財産を一切放棄するという方法で、そもそも最初からすべての財産(プラスもマイナスも)を相続する意思はなかったという事で、相続人としての権利を失うことになります。

これは法定相続人全員が行う必要はありません。

例えば、配偶者が存命で、子供が3人いる場合について考えます。

この場合普通は配偶者が2分の1、子供たちが残りの2分の1を均等に分けるので6分の1ずつを相続します。

ここで子供の1人が相続放棄した場合、配偶者が2分の1、子供たちが残りの2分の1を均等に分けるので4分の1ずつを相続します。

このように誰か一人が相続放棄をした場合はそもそもその相続人はいなかったものとして、すべてを計算することになります。

 

ここで気を付けておきたい点がいくつかあります。
  • 相続人が財産の全部、あるいは一部を処分したとき(たとえば被相続人が亡くなってから預金口座が凍結されるまでに勝手に引き出した場合など)
  • 相続財産を隠匿したり、財産目録に記載しなかった場合(被相続人のへそくりなどのタンス預金などを家族に告げず使ってしまった場合)
  • 自分が相続人になったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てを行わなかった場合
これらのいずれかに相当する場合には、単純承認をしたものとみなされ、それ以降は相続放棄することが出来なくなります。

要はトータルでマイナスの財産になった場合には、たとえ預金や現金があったとしてもそれには手を付けてはならず、3か月以内の家庭裁判所に申し立てを行いましょうという事です。

限定承認

これまでの2つはプラスとマイナスのどちらが上回っているかはっきりしている場合にとる相続の方法です。

しかし、相続財産がプラスかマイナスかがはっきりしない場合もあります。

例えばある時点ではプラスかもしれないが、隠れた借金があるかもしれないので判断しかねるといった場合です。

1000万円の財産があることは分かっているが、もしかしたらそれ以上の借金があるかもしれないといった例が考えられます。

この場合の借金が500万円で済めば、残りの500万円を相続することが出来ます。

一方借金が2000万円になった場合、1000万円はすべて借金の弁済にあてられ、残りの1000万円については返済義務が亡くなります。

要はトータルがプラスだったら残りは受け取るけど、マイナスだったら相続放棄したのと同じ状態になるという事です。

 

だったらすべての相続を限定承認にすれば話は早いだろうと思われるかもしれませんが、ここに一つ問題点があります。

限定承認を行うには、自分が相続人になったことを知った日から3か月以内に相続人全員が家庭裁判所に限定承認の申し出をしなければならないのです。

ここが相続放棄とのもっとも大きな違いです。3か月以内に法定相続人をすべて確定させその全員が限定承認に納得しなければ成立しないのです。

一人でも納得しない相続人がいると利用できません。

 

このように複雑な仕組みのため、実際に限定承認を行う場合は少ないそうです。

 

相続放棄も限定承認もいずれも3か月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければならないので、この点に注意が必要です。

 

総括

今回は本当は相続税についてまとめるつもりでした。

ですが、前回相続についての具体的な例を挙げていなかったことに気が付き、今回その補足をさせていただきました。

少し特殊な例についての説明になってしまったので、自分には関係ないという方も多いかと思います。

ですが、法定相続人の確定や相続放棄などについては念のために知っておいた方がよいかと思われます。

頭の片隅にでも入れておいて頂ければ幸いです。

 

今日も相変わらずの長文になってしまいました。ここまで読んでくださりありがとうございました。

 

追伸

先日お問い合わせフォームからご連絡いただいたハローママ様。

お返事を差し上げたいと思いメールをお送りしたのですが、迷惑メールブロックに引っかかってしまい、メールが戻ってきてしまいました。

この場を借りてお詫び申し上げます。

内容につきましては拝読しておりますので、今後何かご連絡がありましたら、また問い合わせフォームよりお知らせください。

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